末期がんの緩和ケア ご家族のための「在宅緩和ケア」「自宅での医療」の知識【神奈川県川崎市幸区の在宅緩和ケアクリニック】

歯の治療中や入れ歯で食べると痛いときの食事

がん闘病中に虫歯になったときは、すぐに主治医に相談し、治療を受けて下さい。

特に白血球の数が減少しているときは虫歯菌からの感染症のリスクが上がるので必須です。早期に歯科治療を受け、治療を完了させることが重要です。

虫歯の治療中や、入れ歯やかみ合わせに問題があるなど、

がん闘病中に歯のトラブルがあるときには、食事にひと工夫が必要になります。

まず、歯が抜けたままになっていると、上下でかみ合う歯がないので唾液が充分に出ません。歯の詰め物がはずれている時も、はずれていない側の歯で集中的に噛むので、唾液の分泌が不十分になります。

唾液には消化酵素が含まれているので、唾液の量が少ないと消化がスムーズではなくなります。

そこで、唾液を出すために、自然に噛む回数が増えるようなメニューが必要になります。

柔らかくなるまで加熱した野菜や豆類と、固めの肉類を組み合わせるなど、食感の違うものを同じメニューに取り入れると、自然に噛む回数が増えます。

また、柔らかくて弾力がある「凍り(高野)豆腐」、「麩」、「厚揚げ」などを、奥歯でしっかりと噛むようにするのもおすすめ。噛む強さは「奥歯で指を噛んでも痛くないぐらい」が目安です。

歯は並んでいる歯がお互いを支え合っているので、1本でも抜けていると全体のバランスが崩れてきます。結果、次第に2本、3本と歯を失うことになります。

入れ歯ではない、

本来の歯の数が多いほど口から食事をとりやすく、健康寿命が長い傾向があるとされていますので、必ず歯科治療を受けましょう。

仮り歯を入れたり、歯茎を切開したような時は、逆に噛む回数を減らすための工夫が必要です。このような場合は、料理の水分量を多くすると、強くかみしめなくなります。

メニューは、煮汁があるような煮魚や煮物をえらびましょう。口内炎や、飲み込むときにむせることがある場合は、煮汁にとろみをつけましょう。

入れ歯は調整が第一。入れ歯で食べて痛むときはまず歯科で調整をします。そのうえで、噛みやすく、飲み込みやすいメニューにします。魚や卵料理、豆腐や厚揚げなどがおすすめです。

また、固くなりがちな肉や野菜には隠し包丁を入れましょう。

柔らかいものばかり食べていると噛む回数が減ってしまいがちです。すると唾液の分泌が悪くなるうえに、歯茎の筋力も衰えてしまいます。これは食欲減退の原因にもなるので、

固めの食品であっても、薄切りにしたり、繊維を断ちきるように包丁を入れるなどの工夫をし、積極的に食べるようにしましょう。