・在宅療養(自宅での療養)に向けて環境を整える
退院は、がんの治療が一段落する時期です。
最近は入院治療の期間が短くなっています。
退院後のご自宅での療養生活の準備や普段の生活の過ごし方について、
入院中の段階から医療機関や自治体窓口などで情報を収集しましょう。
家族の支援体制を整えることが、
患者さまご本人の退院後の生活を快適なものとすることにつながります。
・「近い将来」について一緒に楽しいイメージをもつ
退院後の患者さまとの会話は、治療や病気、家族の役割分担など、
現在、目の前にある状況が大半を占めることになりがちです。
また、「がんが再発しないか」「治るのか」といった不安な気持ちを
抱えたままでの生活は、患者本人はもちろん、家族にとっても大変な重圧となります。
そのため、近い将来について楽しいイメージすることも大切です。
「気候がよくなったら近場に旅行へ行きたいね」「来月はお食事会をしよう」など、
家族と一緒に楽しい時間を迎える、というイメージを共有することは、
療養生活で生きる希望へとつながっていきます。
・家族の生活も大事にし、リラックスする
自宅での療養の場合、ご家族の方が寝る間も惜しんで看病に専念しているとどうしても限界が訪れます。
また、「家族ががんで苦しんでいるのに、自分だけ楽しむことはできない」などと、
これまで楽しんでいた娯楽や趣味をすべてやめてしまうケースも少なくありません。
しかし、患者さまを支えるご家族もリラックスする時間を作ることは大切です。
ストレスが溜まっている状態で患者さまと接するのは、お互いに良くありません。
ご家族も「やりたいことをやる時間」を作るように心がけることが大切です。
リフレッシュすることで患者さんをサポートする気力と体力が充足されます。
定期的にヘルパーサービスを利用したり、患者さまご家族で看病を分担するなど
時間を作る方法を検討してみましょう。