末期がんの緩和ケア ご家族のための「在宅緩和ケア」「自宅での医療」の知識【神奈川県川崎市幸区の在宅緩和ケアクリニック】

油について

食事でとる脂肪には、「見える」油と「見えない」油があります。

「見える油」とは、「炒め油」や「ドレッシング」「マヨネーズ」「バター」

などで、

「見えない油」とは、食品中に含まれる脂肪で、「脂ののった魚」や「バラ肉」「チーズの乳脂肪」「ナッツ類」などです。

副作用による体調の変化や胃腸の状態によっては、脂肪分全般が食欲を減退させる原因になることもあり、そのような場合には両方の油の量を減らして、あっさりとしたメニューにする必要があります。

「見える油」は、油の使用量を減らすことで調節ができます。

ドレッシングやマヨネーズは、カロリーハーフタイプやノンオイル、ポン酢などに変えることで食べやすさが変化します。

「見えない油」は、材料そのものを選ぶ時に肉なら赤身、魚なら白身にするなど考慮することと、調理方法を網焼きにして油をしたに落とす、しゃぶしゃぶのようにお湯にくぐらせて油を振り落とすという方法で減らすことが出来ます。

しかし、

脂肪は身体にとって重要な栄養素です。脂肪には、食が細くなっている時にコンパクトにエネルギー源になる効果があります。

このほか、細胞膜や血液、ホルモンの材料となり、ビタミンA(ベータカロテン)、D、Eの吸収を良くします。

調理に使うに油に関しては、一般的な植物油をブレンドしたサラダ油のほか、様々な種類の油が出回っています。世界的な長寿食として科学的根拠がハッキリしているのが、「和食」と「地中海食」です。
そこで注目をあびたのが、「地中海食」に使われるオリーブ油ですが、これは糖尿病などの生活習慣病、脳卒中や心筋梗塞の研究では良い効果が明らかにされていますが、がんに関しては全く不明です。

また、そのほかの油に関しても、

いかなる油であってもがんの進行や治療に関して、油の種類による効果の違いは明らかにされていません。

市販の油の中にはトクホ(特定保健用食品)の油があります。これらは、家族の健康を気遣って使用することは意味がありますが、がんの食事療法のために、わざわざ使用する必要はありません。