末期がんの緩和ケア ご家族のための「在宅緩和ケア」「自宅での医療」の知識【神奈川県川崎市幸区の在宅緩和ケアクリニック】

闘病のストレスをやわらげる食事

痛み、食事が思うように食べられない、体が思うように動かないなど、

がん治療中はいろいろなストレスがかかるため、気持ちが落ち込みやすくなります。

また、ストレスは精神的なものだけでなく、過労、睡眠不足、暑さ寒さなど、身体的なものもあります。

そんな時、ストレスに対抗する栄養素であるビタミンCを多めにとると、ストレスによる症状が少し軽くなることがあります。なぜなら、

ストレスが生じると、抗ストレスホルモンがストレスに対抗しますが、この抗ストレスホルモンの生成にはビタミンCが欠かせないからなのです。

また、

ビタミンCは免疫活動の主力である白血球の働きを強化し、ウイルスを攻撃していきます。

このため免疫力が弱っている時に風邪を引きやすくなるなどのトラブル(風邪は体にとっては大きなストレス)からも体を守ってくれるのです。

ビタミンCはコラーゲンの生成に必須の栄養素なのですが、コラーゲンは細胞同士を強力にくっつける接着剤の働きや、血管、皮膚、粘膜、骨を強くする働きをします。そうすることによりウイルスが侵入しにくくなり、同時に抗がん作用を発揮するのです。

ただし、コラーゲンをサプリメントでとっても効果はないので、あくまで体のなかで合成させることがポイントになります。ですから、コラーゲンの材料になるタンパク質(魚や肉、卵、乳製品、大豆製品など)と共にビタミンCが必要になってくるのです。

ビタミンCを多く含む食品は、柑橘系の果物や苺、キウイ、メロン、マンゴーなどです。

(グレープフルーツは使用している医薬品によっては禁止食品なので確認をしてください)。他にも、赤ピーマン、ブロッコリー、かぶの葉、かぼちゃ、カリフラワー、ほうれん草などに多く含まれています。

ビタミンCは熱に弱いので、さっと炒めるようにするのがコツです。

(ブロッコリーは組織がしっかりしているのでゆでてもビタミンCは残りやすいです)

ビタミンCはサプリメントでとる方法もありますが、少しでも食事を食べている人のほうが元気でいる傾向が高いですし、何より

食品でとったほうがビタミンC以外の栄養成分を同時にとることが出来ます。

なので、なるべくサプリメントに頼らないようにしましょう。

出来れば毎食ビタミンCが多い食品を摂るのが望ましいのですが、「食べられる食品」と「食べられる量」が優先されますので、ビタミンCが多い食品を無理強いすると、かえってストレスになります。知識として、

「ストレスが多く感じられる時にはビタミンCの多い食事をしよう」

と憶えておくと良いでしょう。

旬の果物などとして上記の食品を取り入れると、食卓の彩りが良くなるので、それだけでも気持ちを明るくさせる効果があります。もちろん、かぶの葉の入ったお味噌汁やかぼちゃの煮物などでも同様の効果はありますので、ちょっとしたおかずに取り入れて、ストレスに対抗していきましょう。