「がん」と診断された場合、以前は家族のみに告知されていました。
最近の医療では、本人に意思決定が可能と医師が判断する場合、高齢であっても、子供であっても本人にがんを告知するようになっています。
告知により病気とつきあう自覚を持っていただくためです。
そのため、がんの本人告知を望まない場合は、告知しないでほしいという旨を、あらかじめ医師に伝えておく必要があります。
また、同時に、医師が本人に代わって治療方針などを伝える相手(信頼できる家族)を伝えておく必要があります。
・情報を集める
最終的にどのような治療を受けるのかを決めるのは患者さまご本人です。
本人が、納得のいく治療を受けるためにも、ご家族は正確な情報を集めることが欠かせません。
家族が本人告知を受けている場合や、本人に代わって治療方針を決める必要がある場合も、家族の方が「がん」に関する情報収集をして患者さま本人の負担を減らしてあげましょう。
・入院時のサポートについて確認する
入院が決まると、いままでの家事や仕事ができない生活となります。
また、入院費用、治療の費用など金銭面でも負担が発生してきます。
仕事や家事の引継ぎ、入院時の持ち物の準備、助成制度についての調査、加入している医療保険の確認など家族のサポートがあれば、患者さま本人の負担が軽減されます。
・いままでどおりを心がける
家族の接し方の基本は、いままでどおりに徹することです。
入院による治療は、患者さまにとって心理的不安が大きいものです。
ご家族の感情的な発言や行動は、患者さまにとって不安をかきたてるなど大きな負担になることがあります。
患者本人の意志を尊重し、サポートに徹することを心がけましょう。
・一緒にがんばるという気持ちを示す
がんの入院治療は、治療方法によっては、はきけ、発熱、激しい痛みなどの苦痛を伴う場合があります。
患者さま本人が「こんな治療を受けなければよかった」「どうすればよいかわからない」などと自分の選択を否定する言葉や、周りに責任を転換するような言葉を発することも多くなります。
そんなとき、家族が目をそらさずに「一緒にがんばる」という姿勢を示すことは、患者の心の支えとなります。