猛暑を乗り越えていよいよ9月に入り、赤とんぼもチラホラと見かける季節になりました。
最近は飛行機の性能が向上し、日本中どこで学会が開催されてもトンボ返りが出来るようになってきました。
必要なのは気合いだけです。
いつも往診の患者さまが待っていると思うと、私もこの頃はゆっくりと遠方の学会への滞在もできなくなっています。
飛行機の中も、つねにWifiをスタンバイしてスタッフと連絡を取り合ったり、学会場に到着し、途中退室が困難なセミナーの時間にもつねに携帯電話の電波を気にしています。
さすがに専門医の試験中は携帯電話の電源を切らなければなりませんでしたが、なんとなくソワソワします。
医師が24時間つねに連絡を取れるような体制を構えることは相当の覚悟が必要です。
でも、当院と連携してくださるクリニックやホスピス、病院の先生方のお力添えのもと万全の体制を整えることができています。
万全の体制をとることで、患者さま、ご家族さまが安心できるのであれば、とっても嬉しいです。
赤とんぼ。
あっち行ったりこっち行ったり、くるんと方向を変えたり。
そんな軽快なフットワークが在宅医療にも求められます。
距離なんて気にせずに、必要な学会には参加し、SOSを発信している患者さまのもとへはすぐに飛んで行く。
赤とんぼを見ながら、こんな風でありたいなと思う今日この頃です。
病院医師・看護師・連携室職員のみなさまからよくある質問にお答えします。
退院を予定している患者さまの介護保険が未申請です。
退院日は迫っています。訪問診療のご相談をしても大丈夫ですか?
とっても多くいただくご質問です。
日本の在宅医療における保険診療の大切な二本柱。
それが医療保険と介護保険です。
介護保険は病院の先生方には馴染みが少ないと思います。
当院院長も在宅医療を決意してから介護保険の実際の活用方法について一生懸命勉強して理解を深めるようになりました。
大きくわけると、医療保険は身体の中のことに関して使用する保険、介護保険は身の回りのことに関して使用する保険です。
在宅医療では、身体の痛みの治療や栄養が不十分なときに行う点滴などの医療費、身体に異変があるときに緊急往診を行う時の診療費などを医療保険でまかないます。
一方、介護ベッドを導入したり、身の回りのこと、つまり食事のご提供やお部屋のお掃除、また排泄に関してのお手伝いやお風呂の介助など、日常生活のなかで身の回りのことを国からの補助でまかなうことができるのが介護保険です。
在宅医療では医療保険と介護保険を上手に併用していくことが大切なのです。
医療保険に関するリーダーが医師であり、介護保険のリーダーがケアマネジャーです。
在宅医療ではケアマネジャーを中心にして、患者さまに必要な体制を築き上げていきます。
しかも短時間で。
医師とケアマネジャーが共にリーダーシップを発揮し、患者さまの24時間を支えていくのです。
しかし、残念ながら介護保険は役所に申請を出さなければサービスを受けられません。
役所に申請を出しに行くのが大変な患者さま、ご家族さまの場合には、ご本人さま、ご家族さまのご同意のもと、当院スタッフが代理で役所に伺い介護保険の申請を行うことも可能です。
ですから、介護保険の申請をしていなくても、当院へご相談いただいて大丈夫です。
まずは第一歩を踏み出すことが大切です。
何も準備が出来ていなくても在宅医療は開始できます。
ただし、より良い環境で患者さまを支えていくためには、医療と介護の体制がしっかりと構築できていた方がより望ましいです。
「この患者さまは在宅医療が必要になりそうだ」
と思った瞬間に、介護保険の申請だけでも提出しておくことが重要であることを、ご本人さま、ご家族さまへお伝えくださいね。
病院の先生、看護師、社会福祉士。
連携室の皆さん。
早め早めの行動が患者さまの笑顔につながりますからね。
お困りの時はいつでもご相談くださいませ。
メディちゃんの4コマまんが
知らないと大変!身近な法律豆知識
女性に実年齢を聞かないと逮捕される!?
夜の街で働いた12歳の少女は、働き者なのか?悪い子なのか?
それとも、親が悪いのか?働かせた大人が悪いのか?
そんな事件が起きました。
以下に詳細を記載します。
埼玉県警川越署は、小学6年の少女をガールズバーで働かせたとして、飲食業の男を児童福祉法違反の疑いで逮捕しました。
「18歳未満かもしれないと思っていたが、そんなに若いとは思わなかった」
と男は容疑を一部否認。
少女は身長が比較的高く、小学校に通っていたようです。
「児童福祉法」は、戦後、困窮する子どもの保護、救済とともに、次代を担う子どもの健全な育成を図るために、1947(昭和22)年に制定されたものです。
「児童福祉法」第1条
1.すべて国民は、児童が心身ともに健やかに生まれ、且つ、育成されるよう努めなければならない。
2.すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない。
ところで、「児童」とは何歳のことをいうのでしょうか?
また、今回の事件では、どのような要件に違反したのでしょうか?
詳しくはこちら(出典:マイ法務)
メディちゃんの「やわらか頭体操」
(問題)
民間療法を続けてきたがんの患者さまが苦しんでいます。 行き場所がありません。どうしたら良いですか?
まだまだ治療の必要ながんの患者さまですが、主治医の先生が 「今日退院」「明日退院」と突然決定しました。 どうしたら良いですか。