メディ在宅クリニック院長 髙橋 保正です。
毎日たくさんの新しい患者さま、ご家族さまとの出会いがあります。その中にはこれまでの医療との接点の中で、不信感をお持ちになっている方もいらっしゃいます。
ある日、女性から1通のメールが届きました。旦那さまの体調に関するご相談です。
「2週間飲まず食わず、どんどん痩せ細っていきます。このままだといつ亡くなってしまうかわかりません。救急車を呼ぼうとしても、夫が許してくれません。彼はもともと病院が嫌いで、医師にも良い印象を持っていません。でも、このままでは心配で…」
という奥さまの切ないメール。
どんな状況でも突撃するのが私たちのスタイルです。
奥さまと連絡を取り合いながら、静かに訪問を計画。ピンポンもならさず、そっと旦那さまのそばに到着します。
「こんにちは。心配で来ちゃいました。こう見えて医者です」という言葉とともに、時には柄物のシャツとスーツで敢えて現れます。
「こんな変わった医者もいるのか?」とあっけに取られている間に、点滴や採血をします。
エコー検査をします。あらゆる手段で私たちを受け入れてくださる工夫をいたします。
まずはお友達になっていただくことが大切です。
検査の結果、かなり進行した転移性のがんであることを突き止めました。
その後も毎日毎日訪問を続けました。点滴して栄養をつけて、痛み止めを使って動けるようになってきました。
「もう俺は覚悟ができてるんだ。いつ命を落としても悔いはない」と、そう強がっていた彼の気持ちが、日を追うごとに前向きになってきました。
「病院で検査しようかな。治療を受けようかな」時々笑顔を見せてくれながら、心境の変化を教えてくれました。
病院への橋渡しをして無事に入院して検査や治療を積極的に受けてくださいました。
奥さまもやっと安心されました。
緩和ケアは患者さまの身体や心の苦痛を和らげて前向きな気持ちにして差し上げることが大事な役割です。
患者さまが不安や悲しみからイライラし、周囲に当たってしまうこともたくさんあります。
そんなとき、医療者や介護者が距離を置いたり、険悪なムードになってしまうと、悪循環が生まれます。
緩和ケアはこの悪循環を断ち切るためのものでもあります。
緩和ケアチームにとって大切なことは、ずんずん入って行くことです。患者さまのふところにいかに迅速に、気づかれないように飛び込んでいくか。
それが大事です。
世の中ではまだ、「緩和ケア=最期の治療」というイメージが強くありますが、誤解です。
緩和ケアは、さりげなく、日常の中で始められるものです。医師が優しく患者さまとお話する、看護師が患者さまの体に優しく触れて話を聞く、介護スタッフが患者さまやご家族の悩みを解決していく、これらすべてが緩和ケアです。
これら一つひとつの行動が、患者さまの心に温かさと安心をもたらします。
私たちは患者さまが笑顔で治療に取り組めるよう、積極的な緩和ケアを大切にしています。
通院で抗がん剤治療を受けている患者さまには、在宅での痛みや副作用のケアを提供し、ご家族とともに過ごす時間を大切にしながら、安心して抗がん剤治療を継続できるようにお手伝いをいたします。
私たちの目標は、患者さまが最善の状態で過ごせるよう、心と身体の両面からご支援することです。
どうか、がん治療中の患者さまにも「在宅緩和ケア」という選択肢があることをお伝えください。
24時間いつでも相談できる私たちがいます。たとえ医療に対する不安や不信感があったとしても、私たちは心を込めてお手伝いさせていただきます。
「医者なんて信じないぞ」
そんな患者さまにも、そっとそっと、でもずんずんと私たちは突撃いたしますからね。
「手術が怖い」「先生が怖い」「抗がん剤がいやだ」といったさまざまな理由からです。
そんなとき、患者さまやご家族さまの目に最初に飛び込んでくるのが、保険の通らない高額な民間療法の広告かもしれません。
「痛くない」「つらくない」「がんばらなくていいがん治療」といった、非常に魅力的な言葉が並び、民間療法に希望を感じることは自然なことです。
私たち医療従事者も、病院や治療が怖いと思わせてしまうことに責任を感じています。
もし、民間療法を試した結果、がんが進行し、痛みや食事が取れないなどの症状が現れている場合は、どうぞご安心ください。
私たちがご自宅に伺い、患者さまのお話をじっくりとお聞きします。これまでどのような診断を受け、どのような民間療法を行ってきたのか。
そして、病院や治療に対するお気持ちについて、しっかりとお話を伺います。
そのうえで、現在の症状に対する緩和ケアの方法をご提案いたします。患者さまが納得されれば、まずは水分や栄養補給のための点滴を開始し、痛みがあれば少量のお薬で緩和を図ります。
一つひとつ丁寧に説明し、患者さまの同意を得ながら、必要な検査も進めてまいります。
私たちは、どのような状況でも患者さまを笑顔にすることをあきらめません。
患者さまのお顔を見ながら、決して手を離すことはありません。
「もう何もしなくていい」と思わせることがないようにお手伝いさせていただきます。
もし、民間療法を続けてきて、少しでもつらさを感じておられる患者さまがいらっしゃれば、どうぞご相談ください。
必ず、私たちがご一緒に最善の答えを見つけてさしあげます。
どうぞ私たちにお任せくださいませ。
メディちゃんの4コマまんが
ワンポイントスキルアップ講座
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テンプレートを選んだら、文字や画像を編集できます。
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メディちゃんの「やわらか頭体操」