食べたものは消化吸収のために胃に送られます。胃は消化のために活発に動きますが、
消化にかかる時間が長ければ胃に負担になってしまいます。
「消化の良い・悪い」とは、胃にとどまる時間の長さで判別しているのです。
この時間を決定づけるのは脂肪と食物繊維です。これら2つの成分が少ないと消化がよくなり、多く含まれていると消化が悪くなります。
消化の良い食品は、ご飯や麺類のような、主食になる炭水化物です。続いて、豆腐や卵、魚介類のような、脂肪と食物繊維の両方の量が少ない食品です。
一方、
消化の悪い食品は、油やバターといった脂肪だらけの油脂類、きのこや海草類、ごぼうやれんこんといった根菜類のような、食物繊維の豊富な食品です。
天ぷらなど揚げ物や脂っこい料理、きんぴらごぼうのような固いかみ応えのある料理は、消化が悪いと言えます。
食物繊維は、しっかりと柔らかくなるまで加熱したり、ハンディタイプの棒状のミキサーを使用して、刻み食や流動食にすることで消化がよくなっていきます。
ですが、胃腸の手術などを受けている場合は回避する食品で成分であることが多いので、食物繊維の摂取については医師に確認をして下さい。
脂肪は、細胞膜・血液・ホルモンなどの材料になり、ビタミンA・D・Eなどの脂溶性ビタミンの吸収を助け、血管や皮膚のしなやかさを保つのに欠かせません。
食べ過ぎは胃もたれや消化不良などの弊害をもたらしますが、一定の量は健康維持に必要です。
脂肪の多い食事は回数を控えめにする必要がありますが、固い食事は特に摂取制限がなければ、食事のバラエティーを豊富にします。
また、良くかむことによって唾液の量が増え、これにより含まれる消化酵素の量を増やして消化が促進されるのです。
消化吸収能力には個人差があります。これまでに胃もたれなど消化不良を感じた食品を避けることで、胃への負担が減ってきます。
消化の良し悪しを知ることは、胃腸への不安を解消する役割があります。消化を良くする工夫を使うことで食生活の幅を広げましょう。
高齢者や闘病中は噛みきる力が弱いので、野菜類などは斜め方向にスライスする、短め・小さめに切るなどして消化をサポートします。
煮込む、ゆでるなどの調理方法で食材を柔らかくすることも、消化を良くする助けになるので、炒め物よりは煮物、味噌汁、スープ煮などがおすすめです。