末期がんの緩和ケア ご家族のための「在宅緩和ケア」「自宅での医療」の知識【神奈川県川崎市幸区の在宅緩和ケアクリニック】

食事作りの負担を軽くする工夫

がん治療中の食事は、治療そのものや治療による副作用を乗り越える体力作りに大切なものです。しかし、治療を受けている本人や看病をしている家族にとっては、

その時々の体調に合わせた食事をスムーズに提供するための準備が、大きな負担になることがあります。

そこで便利なのが冷凍です。本人が食べやすいメニュー数種類を作り置きしておき、1回分ずつに小分けにして冷凍しておきます。

どんな体調でも必ず口にしたいのが「ごはん(おにぎり)」「パン(食パンやロールパンなど)」「うどん」などです。ただし、ごはんに関しては「暖かい」状態でラップに包み、それを冷ましてから冷凍しないと美味しさを損ないます。冷ましたご飯を冷凍すると、解凍した時に食味が落ちます。

市販の冷凍食品では、

おにぎりやうどんの麺、お好み焼きなどの他、量の調整がしやすい小さなホットケーキやたこ焼きが重宝します。

冷凍のカットかぼちゃや青菜類は、下処理がしてあるため、料理しやすいのでおすすめです。また、お弁当用の小さなおかずのバラエティーセットがあると、野菜不足を補いやすくなります。

1人前のレトルトのスープ類や、味がついてそのまま食べられる肉や魚の缶詰、果物の缶詰(小さめサイズ)も、常備しておくと手軽です。

インスタント味噌汁は、具と味噌が分かれているタイプのものを常備しておけば、体調に合わせて汁だけ、具もセットで、と使い分けることができます。

うどんの汁は粉末のうどん用スープの素をストックしておきましょう。

果物の缶詰は、常温保存と冷蔵庫保存の両方で保管しておくと、体調に合わせて対応しやすくなります。

玉ねぎや人参、じゃがいもは日持ちがするうえ、体調に合わせたメニューに取り入れやすい野菜です。

ただし、玉ねぎは常温で保管できますが、においが気になる時もあるので、その時は冷蔵庫に隠してしまいましょう。

このほか、

卵や市販の卵豆腐、茶碗蒸し、かまぼこ類、牛乳やヨーグルト、チーズ、アイスクリーム、ゼリーやプリン類も常備しておくと、体調に合わせた食事に対応しやすくなります。

水分補給も大切です。ペットボトルの水のほか、麦茶、水分吸収を良くした電解質入りの専用の水(経口補水液)、スポーツドリンクも常備しておきましょう。

ただし

食品の消費期限には注意が必要です。