末期がんの緩和ケア ご家族のための「在宅緩和ケア」「自宅での医療」の知識【神奈川県川崎市幸区の在宅緩和ケアクリニック】

使命の発見

今日は皆さん、お忙しい中駆けつけていただきました。

人生には行動をおこしていく基準というものがあると思うのですが、いろんなことを日々、皆さんは決断していると思います。

その中で今日は、このももいろリボンの方に行こうと、申し込みをしてくださいました。

そんな風に自分で人生を切り開いていくというのが、皆さんのすばらしいところだなと思います。

日本の方々は、自分で決断をしないで人に任せる、という事がとても多いと思います。

それをあえて自分で決断をして行動し、自分の人生を作り上げていくという方たちの集まりだと思って、今日はとても感動しています。

人生はいろいろなことがあると思います。

自分はなぜ生きているのかとか、いろんな悩みを抱えてらっしゃる。

そういう悩みの世界に入ってしまうとすごくふさぎ込んでしまう。だけど、何かこういう皆と集まろう、と行動を起こしていく。

いろんな人たちと集まって会話をして、何かを受け取めてもらって、そこで新しい使命みたいなものを見つけていけるのではないかと考えて、こういうイベントをやっています。

病気でくじけることもあるかもしれませんが、皆がそれぞれ自分がやるべき道、使命が見つかればその使命を自分で完遂する為に何をするべきか、と考えていけるのではないかと思います。

最近は男性の方が弱者ではないかというような傾向もあって、女性のほうが強いといわれていますが、いろんな事故や悲しい事件を聞いていると、女性が被害にあっている場合が多いです。

また、私の場合、患者さんの中でシングルマザーで頑張っていた方が、お子さんを残して亡くなったという経験がありました。

多くの女性たちを乳がんから守っていく。

私はそれを自分のライフワークとして、使命として感じ取って、女性のために尽くしていきたいと思ってこういう活動をしています。

いきなりですが、いろんなところに修羅場というものはあります。

修羅場というと大げさですが、命が危なくなるようなことや、恐怖を感じるような場面が日々の生活の中で突然襲ってくるかもしれません。

いざこざやいろんな人たちとのトラブル、パワハラまではいかないまでも、上司からの言葉の暴力。

そういう時に自分が絶望的になってしまうような修羅場というのを感じることもあるかもしれません。

その修羅場というのも実はコミュニケーションで解決できたりします。

いろいろな言葉を浴びせられて自分が全否定されるとか、自分の価値観が木っ端微塵になってしまうとか。自分の体を傷つけられてしまう、暴力で痛みを受ける。

そういう恐怖感というものがあるかもしれませんが、それは結局自己愛からなんです。

自分の体にや心にダメージがあるというのが怖い。

その恐怖を乗り越えていく為にはどうしたらいいかというと、自己愛ではなくて、他者へ対する愛情ですね。

誰かのために何かをしなければいけない、誰かのために立ち上がらなければいけない、という思いが心の中にあると、その恐怖というのは乗り越えることができるのではないかと思います。

その恐怖を乗り越える方法として仮面をかぶると書きました。

なんだ、仮面かぶってうそをつくのかという話になりますが、この仮面というのはいろんな人の立場のことです。

自分の妻としての立場、母としての立場。たとえば社長だったら社長としての立場、社員としての立場。

そういう立場に立ってその役割をきちんと演じる。その役割に立って、どういう発言がその立場で出てくるかということで、いろんな恐怖は乗り越えていくことはできる。

その仮面はうそなのか本当なのかというと全て本当だと思います。

私は時には医師として、外科医の立場や乳がん検診伝道師、またひとりの男性としていろんな経験をその立場ごとにお話は出来るのですが、一貫としてベースにあるものは「女性を守っていきたい」という使命感です。

使命感の元にそういう仮面をつけて、皆さんがいろんな発言を堂々とできるようになることが大事だと思います。