末期がんの緩和ケア ご家族のための「在宅緩和ケア」「自宅での医療」の知識【神奈川県川崎市幸区の在宅緩和ケアクリニック】

嘔吐してしまった時の食事の工夫

嘔吐して1~2時間は、食事は止めて胃腸を落ち着かせましょう。

その後の食事は、「好きな時に」「少しずつ」が基本です。

また、嘔吐が続くと脱水の危険性が高まります。吐き気が落ち着いて、少し口に出来そうと感じたタイミングで、

ペットボトルに入った経口補水液(水分補給専用の水)やさらっとしたスープ、薄めの味噌汁を摂ることは、水分補給におすすめです。

嘔吐が続き始めたら、このようなメニューを小鍋に置いておくと便利ですが、保管の問題もあり、タイミング良くいかないことも多いものです。
インスタント味噌汁で具が別包装になっているもので、

味噌だけをお椀の半分程度のお湯で溶き、そこに氷を入れて溶かすと、すぐに「薄味の冷めた味噌汁」が出来ます。

(具を入れてしまうと、ワカメなどのニオイに反応して、再び吐き気が出ることがあるので抜いておくことがポイントです)

このようなときに備えて、

調子の良い時に好きなドリンクを製氷皿で凍らせておくと便利です。

市販のスポーツドリンクを利用しても良いでしょう。
(ただし、甘みが強いために不快感を持つ事があります。その場合は半分に薄めます)

水分がむせて飲みづらいときには、ゼリー状にして、スプーンですくって「食べる」と、すんなり入ることがあります。

介護食用寒天ゼラチン(粉末)を使用すると、常温で混ぜるだけでゼリー状になるので便利です。ただし、つるっとしているので、飲むように食べてしまうことがあるため、しっかり噛んで、ごっくんと飲み下すように注意してください。

ヨーグルト、水分の多い果物、ゼリー、シャーベット、アイスクリームなどは、食欲を戻すきっかけになりやすく、おすすめです。

(グレープフルーツは特定の医薬品を使用している場合は禁止食品になるので止めておきましょう。)

食事を戻していくときは、冷たいポタージュや冷ましたおかゆ、ミキサーで作った野菜や果物のジュースなどといった流動食からはじめ、パン(デニッシュは不可)や一口おにぎり(作って冷凍しておくと便利)、そうめんや冷たいうどんなどといった、消化の良い固形物へと段階を踏んでいきましょう。