がんの食事のなかで、牛乳・ヨーグルト・チーズは取り入れやすいタンパク質源として優秀です。同時に乳脂肪を含んでいることで、一定量の脂肪が摂取できることも利点です。
タンパク質は免疫細胞の材料になるほか、免疫機能も高めてくれます。内臓や筋肉の材料にもなるので、欠かせない栄養成分です。
脂肪分は体のエネルギー源のほか、細胞膜、血液の成分になり、生きていくうえで欠かせない栄養成分です。食欲が落ちているときや胃腸の調子が悪い時は、脂肪の少ない食事になりがちですが、乳製品から脂肪分を補給すると、負担が少なく取り入れられます。
また、乳製品は効率の良いカルシウム源です。カルシウムは骨の材料になるほか、精神を安定させ、筋肉をスムーズに収縮させる働きをもっています。
カルシウムは健康な日本人でも不足しがちなミネラルです。不足すると骨がもろくなったり、イライラしやすくなったり、足がつりやすくなるなどの症状があらわれます。
牛乳は、含まれる水分が100ml中約87mlほどなので、水分補給源とみなせません。しかし、ある程度は水分もあり、タンパク質やカルシウムが豊富なので、取り入れたい食品です。
そのまま飲む以外にも、シチューや寒天などで固めて食べるのもおすすめです。
ヨーグルトは、含まれる乳酸菌が腸内環境を整えて免疫力アップが期待できます。特にトクホ(特定保健用食品)のヨーグルトがおすすめで、便通改善に役立ちます。
ただし、果物入りのものには、使用されている果物の健康効果が得られるほどの量の果物は入っていません。
ですので、プレーンヨーグルトに自分で甘みを加えて食べやすくする、もしくは生のカットフルーツなどと一緒に食べるのが良いでしょう。果物類には季節感を感じやすくし、食欲を引き出す効果があります。
少ない食欲でカロリー(エネルギー)とタンパク質、カルシウムを補うにはチーズが向いています。小分けに包装されているタイプの商品が、食べる量を調節しやすいのでおすすめです。
また、ナッツ入りなどで風味や食感を替えて飽きないようにするのが食べ続けるコツです。