末期がんの緩和ケア ご家族のための「在宅緩和ケア」「自宅での医療」の知識【神奈川県川崎市幸区の在宅緩和ケアクリニック】

食事作りの献立の立て方

まず必要なのが水分補給です。

食欲不振のときに水分をとると、それだけでお腹がふくれてしまうこともありますが、それは一度に飲む量が多いからです。少量ずつ回数を増やして飲みましょう。また、

食事メニューに汁物を取り入れることでも水分補給が出来ます。

味噌汁やお吸い物、スープ煮などは、塩分を含んでいるので吸収しやすい水分です。

水分補給の次に重要なのは、ご飯やパン、麺類を摂ることです。

これらは体のエネルギー源として働きます。優先して食べる用にしましょう。

治療中は食欲が落ちがちで、本人は、「まともに食事が食べられなかった」という気持ちから、精神的に下向きになることがよくあります。そこで、食事を食べきったという達成感を持ってもらう必要があります。一口大のおにぎり2~3個や、お吸い物に入ったそうめん(にゅうめん)などを、

「少量を」「小さなお皿に載せて」、「食べきった充実感が出るような」工夫をしましょう。

また、「残しても大丈夫」「残ったら次の食事で食べよう」と、声をかけることもおすすめです。

次に、卵(だし巻き、かき玉など)、冷や奴、魚、チーズ、ハム、ヨーグルト、牛乳などの、タンパク質源を追加します。これらは免疫細胞の材料になり、免疫機能を維持するにも必要な栄養素なので、

本人が食べやすい食品や料理方法で取り入れます。

優先順位がやや下がりますが、ビタミン・ミネラル類、ポリフェノール類の補給源として野菜や果物があれば、食卓も賑やかで彩りよく、食欲がわきやすくなります。特に果物は様々な体調不良の時でも食べやすい食品です。柑橘系のものや苺、メロンなどは、

ビタミンCが豊富で免疫機能を高め、鉄分の吸収を良くするので貧血対策にも効果的です。

(グレープフルーツは、特定の医薬品を使用している場合、禁止食品になることがあるので医師に確認をします)

野菜類は、生野菜が食べやすい時ことが多いので、サラダや酢の物にしやすい材料を常備しておくのがおすすめです。ただし、野菜・果物共に、発熱時(白血球減少時)には生で食べることを避けるか、あるいは食べる事そのものを禁止される時がありますので、

発熱が続くときは主治医に確認をとりましょう。

このようなことから、献立作りは、

まずは主食(ごはんなど)、次に主菜(メインのおかず)、その次に副菜(野菜のおかずや果物)の順に考えていきましょう。

もちろん水分補給は欠かせませんので、お茶を添えるのを忘れずに。お茶は一度にコップ半分(100cc)までで充分です。一度に飲むと、むせたり吐き気の原因になるので、1日5回以上を目安に、少量を、回数を増やして飲むようにしましょう。