末期がんの緩和ケア ご家族のための「在宅緩和ケア」「自宅での医療」の知識【神奈川県川崎市幸区の在宅緩和ケアクリニック】

玄米について

玄米は精製された白米(精白米)に比べてビタミン、ミネラルが豊富です。ご飯類は健康であれば1日に約450g程度食べるので、玄米は主食から得られるビタミン、ミネラルの供給源として重要な役割を果たします。

しかし、玄米は味が独特であること、炊き方に工夫が必要なこと、食物繊維が多いという特徴があります。玄米の味は精白米に比べて格段に落ちるために、まずいと感じる人は少なくありません。炊飯も、玄米炊飯用のモードを搭載した炊飯器もありますが、通常は精白米に比べて手間がかかります。そして、食物繊維が多いので固い食感になってしまいます。この固さのため、相当良くかまなければ消化しづらくなっています。ですので、胃や腸の手術をした人には、刺激になるのでやめておきましょう。

精製した食品より精製されていない食品のほうが健康に良いという考え、あるいは含まれる栄養成分の違いから、玄米食を推奨する食事方法があります。健康な人であれば、玄米食を取り入れる食事方法でも、本人が納得していれば問題はありません。しかし闘病中は、消化のために噛む回数を増やさなければならない玄米は、少ない食欲をさらに減らしやすく、消化不良による胃もたれの原因にもなることもあります。家族の人が、玄米を食べたほうが良いと聞いてきたため、本人にすすめてしまうこともありますが、本人が食欲不振に陥っている場合には逆効果です。

玄米からビタミン、ミネラル、食物繊維を補うことは考えずに、野菜、果物、きのこ・海草類から得るようにしましょう。同様に雑穀類を混ぜたご飯類も、本人が好きでない限りすすめないでおきましょう。栄養も大事ですが、食事の美味しさが食事の楽しみへとつながります。精白米に比べて味が劣る玄米は、食欲がわきにくいメニューになる可能性が大きいのです。

このほか、精白米の炊飯時に追加して、ビタミンやミネラル類を強化することができる商品があります。これらは特定の栄養素を精白米に追加して多く含むようにさせることができます。1つの商品につき、強化できる成分はまちまちですが、1度に複数商品を利用することが出来、味への影響もありません。お米売り場などに置いてあるので利用してみて下さい。